04CO2資源化技術グループ

CO₂ Resource
Utilization
Technology

グループ
リーダー
吉川 太朗 特任准教授
専門分野
  • 応用固体物理
  • 結晶成長
  • 触媒化学
  • 電気化学
キーワード
  • ダイヤモンド
  • 爆轟法ナノダイヤモンド
  • CO₂資源化
  • 電気化学CO₂還元
  • 触媒
  • 電極材料
  • 光電気化学
  • カーボンニュートラル
  • カーボンネガティブ
  • グリーンケミストリー
  • 資源循環

カーボンニュートラル社会の
実現を目指す

地球温暖化対策が世界的な喫緊の課題となる中、二酸化炭素(CO₂)を有用な化学物質や燃料へと再資源化するCO₂資源化技術は、カーボンニュートラル、さらにはカーボンネガティブ社会の実現に向けた中核技術として大きな期待を集めています。2050年カーボンニュートラルという国際的・国家的目標を達成するためには、CO₂排出量の多い特定の産業や企業のみならず、産官学が連携し、社会全体で主体的に取り組むべき重要な研究課題となっています。 当研究グループは、ダイヤモンドが有する特異な電子状態と、他材料には見られない圧倒的な化学的・電気化学的安定性に着目し、CO₂資源化プロセスにおける触媒材料および電極材料の研究開発を行っています。特に、ダイヤモンド表面の終端構造や積層構造を原子レベルで精密に制御することにより、CO₂還元反応を高効率かつ高選択的に進行させる独自の技術基盤とノウハウを確立している点が、当研究グループの大きな強みです。

近年、CO₂還元に関しては、高い変換効率や反応速度を示す新規触媒や技術が数多く提案されています。しかしながら、触媒寿命が短く、頻繁な再合成や交換、さらには廃棄を必要とする材料では、その製造・使用・廃棄の各段階において新たなエネルギー消費とCO₂排出を伴い、結果として真にカーボンニュートラルやカーボンネガティブに貢献することは困難です。私たちは、反応性能のみならず、材料のライフサイクル全体を俯瞰して評価する視点が不可欠であると考えています。その観点において、極めて過酷な化学環境下においても劣化や腐食がほとんど生じないダイヤモンドは、長期安定運用を前提としたCO₂資源化技術において、極めて有望かつ理想的な材料であると位置づけています。

具体的な研究テーマとしては、爆轟法ナノダイヤモンドと呼ばれる、特異な結晶構造および表面性状を有するダイヤモンド材料を触媒あるいは電極表面に用いることによるCO₂還元性能の向上と、その反応機構の解明に取り組んでいます。さらに、これらの材料に対して独自の表面改質技術を適用することで、従来のダイヤモンド材料では実現が困難であった高い生成物選択性の制御や、新たな還元生成物への変換にも成功しています。爆轟法ナノダイヤモンドは、人工合成ダイヤモンドの中でも極めて高い生産性を有しており、実用化・産業応用に向けた現実的な展開が可能な材料である点も大きな特徴です。
また、本研究グループは企業との連携を積極的に推進しており、化学プラントを用いた実証実験もすでに計画されています。研究室レベルにとどまらず、実際の産業スケールに近い条件下で得られる実データを基に研究を進められる環境が整っていることも、当研究グループの重要な強みの一つです。これにより、基礎研究から社会実装までを一貫して見据えた研究開発を可能としています。
さらに近年では、可視光を利用したCO₂光電気化学的変換システム(太陽光超還元®)という挑戦的なコンセプトの実証にも成功しました。本技術を基盤として、再生可能エネルギーと資源循環を融合した持続可能なエネルギー・資源循環型社会の構築を目指すとともに、ダイヤモンド材料のグリーンケミストリーへの応用という新たな学術領域の創出にも取り組んでいます。これらを通じて、本研究の社会的・学術的価値を最大化していくことを目指しています。
私たちは、ダイヤモンドという究極の材料の可能性を最大限に引き出し、環境負荷の低減と資源循環の高度化という、現代社会が直面する最も重要な課題の解決に貢献する革新的な技術の創出に取り組んでいきます。

Group Members

特任准教授

吉川 太朗Yoshikawa Taro

教授

淺川 雅Asakawa Hitoshi